記念すべき最初の漢字は「井蛙」。
勉強し始めのころ、「こんな熟語あるんかい」と感じたのを鮮明に覚えている。
これは「せいあ」と読む。
意味はそのまま、「井戸の中にいるカエル」であるが、よく知られていることわざから「見識の狭い人」という意味もある。
「井」は「せい」とも読む。この読みでは「市井」という熟語が個人的には一番馴染みがある。
碁盤の九つの点のことを「せいもく」というが、漢字では「井目」と表記することができる。
(今は書くなら「星目」のほうが多い?)
「蛙」は「あ」という音読みがある。
「井蛙」のほかに「蛙声(あせい)」や「春蛙秋蝉(しゅんあしゅうぜん)」といった熟語がある。
蛙声…蛙の鳴き声、みだらな音楽(「蛙」には「みだら」という意味もある)
春蛙秋蝉…やかましく、無用な言論のたとえ。春に鳴くカエルと秋に鳴くセミがやかましいことから転じている。
もし仮に、「井蛙の如き知見をお持ちですね」と言われたら、けなされていると思ってよいだろう。
ちなみに、「井の中の蛙大海を知らず」の後に「されど空の深さ(青さ)を知る」と続くとされている。
これは「狭い世界でも突き詰めれば深い世界が見える」みたいな意味らしい。
(なので、「井蛙の如き知見」はかなりの誉め言葉の可能性もある。)
「井蛙の如き知見をお持ちですね」には、「恥ずかしながら空の青さしか知らないもので…」と返すのが正解かもしれない。
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