「蒲柳の質(ほりゅうのしつ)」という言葉がある。
漢検準一級の書き問題で出題されたとき、この言葉になんとも言えない美しさを感じた。
今までまったく見たことのない表現に出会えるので、漢字の勉強はおもしろい。
さて、「蒲柳」とは「カワヤナギ」という植物のことである。
このカワヤナギこと蒲柳は、冬を待たず秋になるとすぐに葉を落としてしまう。
転じて、「蒲柳の質(または蒲柳之質)」で、か弱く病弱な体質であることを意味している。
「友人は蒲柳の質で寝込みがちだ」のような感じで使用する。
「蒲」は意外と目にする漢字かもしれない。
馴染みのあるところでいくと、「蒲焼さん太郎」ではなかろうか。
駄菓子屋さんで幾多ものお菓子を買ったあの日はノスタルジー。
メーカー小売り希望価格の15円という数字には時代の流れを感じる。
他には「蒲団(ふとん・田山花袋の小説)」や、蒲鉾(かまぼこ)、菖蒲(しょうぶ)、東京であれば京浜東北線の蒲田(かまた)など、よく目にするのではなかろうか。
「柳」はやなぎである。
柳といえば、その手で真空を作り出し、相手を酸素不足に陥らせることのできる龍光である。
「川柳」でも柳の漢字が使われている。「川柳」は江戸時代の人の名前からきているとのこと。
「柳葉魚」の当て字もあり、これでシシャモと読む。
シシャモの由来は『“柳の葉の魚”を意味するアイヌ語「スス・ハム」もしくは「シュシュ・ハモ」』とされているため、上記の漢字が当てられているらしい。
いろいろ勉強になりますね。
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