漢検準一級では、一見読めそうな単語にも注意が必要だ。
難しい読みを既存の知識とつなげると、比較的覚えやすくなる。
そんな体験を与えてくれたのは「参差錯落」という四字熟語である。
1.「参差錯落」の読みと意味
「シンシサクラク」と読む。しんし?
初見だと「サンササクラク」と読みたくなる。
錯落を「サクラク」と読むのはともかく、参差を「シンシ」とは読めない。
大辞林によると、「一様ではなく、入りまじっている様」という意味がある。
参を「シン」とは読めん!!!と思ったが…
日常で目にする熟語であるではないか。
それは…
人参である。

差を「シ」と読む用法は他に見つからなかった。
広漢和辞典には差を「シ」と読む熟語が掲載されている。(Yahoo!知恵袋の回答)
人参の読みがあったという事実も知恵袋から拝借している。
さも自分で発見したかのように書いてごめん。
2.「参差」と「錯落」
参差も錯落も「入りまじるさま」という同じ意味を持つ。
参差錯落は同じ意味の熟語を重ねることで、その意味を強調している。
意味を重ねる四字熟語は他にもある。
よく使う四字熟語であれば、唯一無二や完全無欠などがあげられる。
参差は他にも意味がある。大辞林によると以下の3つ。
① 長短の等しくないさま。
② 入りまじるさま。
③ くいちがっているさま。
すべてを無理に覚えなくてもいい。
3.「参差錯落」の用法
「参差錯落な人参が安く売られている」のように、同じ読みを持つ漢字を紐づけて覚えよう。

この前、久しぶりに渋谷のスクランブル交差点に行く機会があった。
ヒトが多すぎて、まるで芋を洗うような光景。
これこそまさに参差錯落の権化と言ってもいいだろう。
「参差錯落」のまとめ
読み:シンシサクラク
意味:一様ではなく、入りまじっている様
例文:参差錯落な人参が安く売られている
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