肯定/否定の文脈でしかあまり見かけない「肯」の字。
訓読みも存在するのだが、「じる」が送りがなになる字は初めて見た…
どう読むんだ…
この言葉はポケモンと関連付けて覚えよう!
「肯んじる」の読みと意味
「がえ(んじる)」と読む。
ガオガエン…???
この送り仮名は漢字ペディアに掲載されているものに準拠している。
調べると他にも「肯んずる」・「肯ずる」の表記も存在した。
日常ではあまり使われない言葉だ。
意味は大辞林によると、「かえにす」から転じた言葉であり、
①「聞き入れる。承諾する。肯定する。」
②「かえにす(肯)に同じ。」
の2つある。
②の「かえにす」、とは何ぞや…と芋づる式に意味を調べる。
「…することができない。…しようとしない。…することを承諾しない。」
ほう、肯定とは反対のような意味だなぁ。
「ここに居ることを肯(かえ)にす。」で、ここに居ることを承諾しない、という意味。
※現代ではあまり使われない表現
Goo辞書によると、『「に」に含まれている否定の意が忘れられて、肯定の意に意識されるようになったもの。』とのこと。
※「に」は打消しの助動詞「ず」の連用形の古形
最近、「全然大丈夫!」のように「全然」という言葉が肯定文で使用されるよう変化しているように、「肯んじる」も意味が変化したのだろう。
「肯」の字
「肯」は漢検準2級相当の字であり、音読みは「コウ」。
訓読みは「肯く(うなずく)」、「肯んじる(がえんじる)」、「肯う(うべなう)」、「肯えて(あえて)」と複数あり、すべて表外読みである。
どの訓読みも「良いと思ってうなずく」という意味がある。
「肯」単体では、「骨のついた肉。」という意味がある。
旧字が「肎」であり、上の「ワ」の部分が骨、下の「月」の部分が肉を表している。
(月は部首として「にくづき」と呼ばれる)
この意味から派生して、「肯綮(コウケイ)」という「物事の急所。要点。」を指す熟語がある。
※「綮」は筋肉の結合したところを表す。
「肯んじる」の用法
使う場合は否定の語とともに、「肯んじない」、「肯んじるわけにはいかない」という形で使うことが多い。
「ニャビーがガオガエンに進化して立ってしまったが、ニャオハが進化して立つことを肯んじるわけにはいかない。」
というように使えるだろう。
これを言いたいがためだけに、「肯んじる」を取り上げたといっても過言ではない。
まともな用法も記載しておく。
「医師の忠告を肯んぜず」(『ふらんす物語』より)
「肯んじる」のまとめ
読み:がえ(んじる)
※「肯んずる」・「肯ずる」の表記も存在
意味:①聞き入れる。承諾する。肯定する。
②かえにす、に同じ
例文:ニャオハが進化して立つことを肯んじるわけにはいかない。
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