早押しクイズ。
シンプルに見えるが、出題側・解答側それぞれに多くの技術がある。
この記事では、
・早押しクイズのルール
・早押しクイズのおもしろさ
・ヒカルの碁クイズ大会の問題作成時に工夫したこと
・問題解説
の順で書いていく!
早押しクイズのルール
前の記事の一部再掲になるが、早押しクイズのルールのおさらいをしておこう。
早押しクイズでは、司会(クイズ用語では問読み)が問題を読み、答えがわかったら早押しボタンを押す。
一番早くボタンを押した人が解答できるという、いたってシンプルなルールだ。
解答者は問題の途中でボタンを押すこともできる。
例えば、「山梨県と静岡県にまたがる、日本で一番高い山は何でしょう?」という問題を司会が読むとする。
解答者は「山梨県と静岡県にまたがる」まで読まれたところでボタンを押して、「富士山!!」と解答してよい。
早く押せば押すほど、読み上げられた情報は少なくなるので、早押しクイズは「他人より少ない情報でクイズに解答するゲーム」とも言える。
早押しクイズのおもしろさ
早押しクイズはなぜおもしろいのだろうか。
クイズが面白いという前提のもと、素人ながら以下2つの理由が大きいと考えている。
① 競争性がある
② 技術・戦略が勝敗に関係する
①競争性がある
「競争」という要素はゲームをおもしろくするためのエッセンスの1つである。
最近のソーシャルゲームでも、スコアランキングやレーティング制度など、競争要素を取り入れているゲームは枚挙にいとまがない。
クイズにおいて、「早押し」というルールは「競争」という要素を色濃く反映する。
参加者にとって、「クイズの答え」がわかるだけでなく、「相手より早く」わかることが求められるためである。
相手より早くボタンを押して、クイズに解答できると気持ちいい。
② 技術・戦略が勝敗に関係する
「相手より早く」の要素があると、早く答えるための戦略が生まれる。
先の富士山の問題で言うと、「山梨県と静岡県にまたがる」で答えを富士山と予測し解答することができる。
もっと早く答えたければ、「山梨県と静岡県」まで問題を聞いて富士山と解答してもよい。
ただし、もしかすると「山梨県と静岡県の名物である~」のように予想とまったく異なる問題かもしれず、誤答するリスクは上がる。
リスクを取る・確実に解答する、といった戦略が存在し、どの戦略を取るかは勝敗に関係する可能性が高い。
他にも技術はあるが、長くなるので割愛する。
①、②が早押しクイズというゲームをおもしろいものにしているのだと思う。
ヒカルの碁クイズ大会の問題作成時に工夫したこと
せっかく大会形式にするので、おもしろい問題にしたいという思いから自分なりに工夫を凝らした。
工夫した点としては大きく3点ある。
① 早押しクイズの構造
② ヒカルの碁の知識を知らなくても解答できる問題を混ぜる
③ 運要素も多少含める
① 早押しクイズの構造
早押しクイズは「他人より少ない情報でクイズに解答するゲーム」と述べた。
作問者はこのことを意識する必要がある。
一般的には、「問題文の前の方は難しい情報、後ろの方に簡単な情報を配置する。」ということも考慮すべきポイントの一つである。
富士山の例を取り上げると、「芙蓉峰という別名もある、日本で一番高い山は何でしょう?」という問題は早押し向きだ。(良質な問題かはさておき)
「芙蓉峰が富士山の別名であること」は「日本で一番高い山であること」よりも難しい情報である。
前者の難しい情報だけで答えられる人は、強いクイズプレイヤーである。
ヒカルの碁クイズ大会では、「ヒカルの碁関連の情報を前(場合によっては後ろ)、一般的な情報を後ろに配置」することを意識した。
次の「②ヒカルの碁の知識を知らなくても解答できる問題を混ぜる」にも通ずるところがある。
例えば以下の問題。
海王の大将、岸本薫が好んで飲んでいたとされる、ミルク・砂糖を入れないコーヒーのことを俗に何という?
解答はこちら
ブラックコーヒー
ヒカルの碁を読み込んでいる人なら、「海王の大将、岸本薫が好んで飲んでいた」という情報でブラックコーヒーを特定できる。
最後まで聞くと一般的な知識を問う問題となっているが、ヒカルの碁の知識が深いと早押して解答できる、という意図で作成した。
②ヒカルの碁の知識を知らなくても解答できる問題を混ぜる
一般的なクイズを混ぜた、ということである。
例えば以下の問題。
金子正子の誕生日であり、「勾玉の日」「キョロちゃんの日」「黒の日」でもあるのは何月何日?
解答はこちら
9月6日
金子正子とはヒカルの碁に登場するキャラクターなのだが、誕生日を覚えている人はいないだろうと考えて作成した。
後半で、「黒の日」という語呂合わせを連想しやすいキーワードを混ぜ込み、一般的なクイズとして出題する狙いがある。
③ 運要素も多少含める
何か答えれば偶然正解することもあるような問題も混ぜ込んだ。
これは「知識に偏りすぎない」という考えが根底にある。
例えば以下の問題。
ヒカルが「海王中の岸本に負けた」「プロ試験で和谷に勝った」「名人戦1次予選で塔矢アキラと対戦した」のはいずれも何月?
解答はこちら
10月
知識として知っていたらすごいが、解答すれば1/12で当たる運の要素を含んでいる。
感想
問題を作成するのは大変な作業だったが、どうすれば良い問題、楽しい問題になるかを考えることはとても楽しかった。
参加者が問題を解いてくれた時はとても嬉しかった。
また機会があれば何かのクイズ大会を開催して問題を作成したい。
作成したらぜひとも解いてほしい!
次回は作成した問題をいくつか紹介する記事を書こうと思う。
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