久谷
餘部の隣駅、久谷。
予定外のイベントとはいえ、ここから本腰を入れた兵庫県の旅が始まる。
前回も書いたが、久谷から餘部まで、自然を感じながら一本道を歩くプランに決定した。
約1時間6分、どんな興奮と感動が待っているのだろうか。
そんな思いを胸にあたりを見渡す。
山々が私を出迎えている、そんな感覚を覚える。
先ほどの写真の反対側。線路側と歩道側の境界がわからない。
しばらくは駅の出口もわからなかった。
なんとか駅のふもと(?)に降りる道を見つけ、歩みを進める。
この日は1月にしてはかなり暖かった。
3月の、春の到来を予感させるような暖かさ。リュックを背負って歩くと少し汗ばむ。
久谷周辺の住宅などに目を向けながら、目的地・餘部へとGoogleマップの道筋を辿っていく。
時の流れが止まっているかのような、静寂につつまれた村を歩いている。
喧騒の地を離れ、心を整えることができたのも怪我の功名である。
子供に話しかけられたら、「野鳥の撮影が趣味でねぇ」と元気よく笑う準備をしていた。
逆戻
順調に歩を進めていたところ、道の途中に立て看板。内容を読むとそこには…
なんと、通行止め!!
目が節穴でなければ、確かにそう書かれている。
放心し、1分ぐらいその場に立ちすくむ。
餘部まで歩くという計画がすべておじゃんだ。
炎上手前のプロジェクトのごとく、予定通りにことが運ばない。
覆水盆に返らず、嘆いていても仕方ないので、次の一手を考える。
コンビニでもあれば時間をつぶせるのだが…
地図の縮尺を間違ってはいないだろうか。
5kmほど西にかろうじてコンビニが存在しているようである。
次の電車が来るまで1時間ほど、久谷で待つしかなくなった。
「道路が通行止め!来た道を引き返すことに。6マスもどる。」
人生ゲームだとこんなところであろうか。
まぁ、人生たまには戻ってみることも悪くはない。
久谷をゆっくり探検することに。
予定外を楽しむ心こそ、旅人に必須のものである。
←前の記事 次の記事→
コメント